華見せるおとなたち

オリジナル

同人誌 / 全年齢 / 2015年04月19日発行 / サイズ区分:S

448円(税抜:408円)

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詳細情報

 現代日本を舞台にした3編の小説からなる短編集。
 ※多少ではありますが、読む方によっては「残酷」と思われるだろう表現がございます。
(いずれの作品も地元新聞社発行文芸雑誌からの再録(加筆修正あり)となります)


■展覧会の華
(純文学風味サスペンス)
 全国の様々な流派が一堂に会する「いけばな大競作展」。華道に一家言ある鑑賞客たちが出品作を取り囲み、辛口の批評を述べている。
 中でも私の作品は酷評を浴びていたが、受け流す。見て見ぬふりで、胸を張って。
 そこへ職場の後輩たちの声が聞こえてきて――

「生命を抱き、自然に和して融けこみ、真芯を見定め、世界を象れ」


■夢見るこどもたち
(ヤンデレ系大衆小説風味)
 「大人になれよ」――そう告げた元相方は結婚を機にトップ芸人への夢を諦めた。
 俺は綿あめを食う。新ネタをひねり出すために。俺は諦めない。瑠果も応援してくれている。
 「特別な綿あめ」をつまみ、彼女は微笑む。

「『ガキみたいな夢をガキみたいに追っかけてる』俺を応援してくれてるよ、あいつは」


■ただ、あげたかっただけ。
(意固地な純文学風味)
 正月休みで帰った実家。嫁いだ姉の一家も見える。姪は大きくなったが、母の歯に衣着せぬ物言いは相変わらずだ。
 相変わらず、だけど、確かめたくなってしまった。
 あのときから、少しは変わっているのだろうか?

「どんな顔するかな。びっくりするかな。よく考えたら、プレゼント買ってあげるのなんて初めてだしね」

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